無錫錫山経済技術開発区は1992年に建設が始まり、1993年に省級の開発区に認定され、2011年に国家級の経済技術開発区に昇格し、無錫市で最初の国家級経済技術開発区となった。2020年、江蘇省の119の経済開発区の総合評価で、錫山開発区は第8位にランクインした。また、2021年、商務部が行った217の国家級経済技術開発区の総合発展水準評価では、第59位にランクインした。開発区には現在、4500を超える様々な企業が進出し、そのうち外資企業は1060を超えている。30以上の国や地域からの顧客が投資や事業展開のために訪れ、活気に満ちた科学技術都市や商業都市となっている。
開発区は長江デルタの中心に位置している。半径150キロメートルの範囲に、上海や南京を含め、16の大型・中型都市が分布している。この地域の総人口が1.5億を越え、5つの空港と4つの港口がある。開発区は蘇南国際空港まで車でわずか15分の距離にある。無錫東駅も開発区に位置し、上海虹橋駅まで28分で、南京駅まで46分だ。空港と鉄道の両方を持つ利点があり、蘇錫常地域の空鉄連動のハブとなっている。
錫山科学技術創業園区は開発区内で建設された専门的複合型のインキュベーションプラットフォームである。建築面積は19.3万平方メートルで、現在、各種ハイテック企業100社余りが集まり、電子情報・医療機器・スマート装備の3大産業が形成され、国家級ハイテック企業インキュベーターとなっている。さらに、江蘇省の留学生起業園区・中小企業の起業基地・清華大学無錫科学技術成果転化基地となっている。
「雲林・起業者シティ V-Park」の企画面積は2.88平方キロメートルだ。現在、低密度ガーデンオフィス街や50万平方メートルの一級高層オフィスビルがすでに完成した。雲林荟聚ビジネスセンター・雲林荟智企業センター・雲林泰創イノベーションセンターの三大ブロックが形成した。国家級サービス業の標準化モデル園区・国家級公共検定検出認証サービスプラットフォームモデル園区・国家級群創空間などが高い評価を受けている。无锡都市生活サービス「第2の商圏」および新興産業・本部経済が集結している「雲林・起業者シティ」の構築を目指している。
宛山湖生態科技城は開発区の東に位置している宛山湖湖畔を6キロメートルに亘っている。宛山湖は豊かな自然資源と美しい湖の風景が相まって、絶妙な生態地域である。開発区は宛山湖の生態資源を活用し、「景色と都市の融合」という理念に基づき、湖畔の魅力を発揮し、世界中からイノーベーションの要素を集め、環境とイノベーションを融合する産業リゾートを創出していく。
無錫は近代商工業および現代郷鎭企業の発祥地として、商工業が発達している。開発区の周辺には、各種製造企業が4万社以上が集結し、41品目の製品が中国国内シェアトップを誇る。多数の上場企業とグループ企業があり、中国の資本市場で最も注目される「無錫ブロック」が形成されている。
開発区の支柱産業はIT&IC産業、精密機械産業、自動車部品産業、現代サービス産業である。
IT&IC産業に関しては、開発区にはTripod、APAQ、Gul Tech、TONGGANG、TAI SAWなど大手企業がある。TripodのPCD生産量は世界5位で、TONGFANGは中国IT産業の大手で、Gul TechはシンガポールのPCB製造大手で、 LS Mtron は 韓国リレー・センサー製造大手である。
精密機械産業に関しては、住友商事やEATON,TIMKEN,PAKER HANNIFINなどの大手企業がここで事業を展開している。航空部品製造企業のImproとベイキング設備企業のsinmagも開発区に会社を設立した。機械動力のエネルギー管理者であるEATONは2007年に開発区に会社を設立した。 モーションコントロール技術における世界的な先駆者であるPAKER HANNIFINは開発区で事業を拡大している。TIMKENはベアリングと機械式動力伝達製品の世界をリードする製造者である。日嘉金属 は住友商事と大同特殊鋼共同出資して設立された企業である。三一傘下のDELIJIAは風力発電設備のギアボクスを生産している。Improは開発区で先進的なフルモールド鋳造基地を設立した。
自動車部品産業に関しては、日本の積水化学 / NOK-Freudenberg / U-shin、アメリカのTEXTRON / MUTH、フランスのVALEO / FLEXLTECH、ドイツのBOGE、中国の吉興自動車部品 / WD POWERなどの優良企業が数多く進出している。TEXTRONは開発区で特種車両事業部のアジア太平洋地域における開発および製造基地を構築した。NOKが生産した自動車のシーリング部品の世界シェアが40%となっている。MUTHが生産した自動車のバックミラー盲点検測製品は世界市場の70%を占めている。
現代サービス産業に関しては、「起業家都市」と「第二商圏」の構築を中心に、生産性サービス業を専門化およびバリューチェーンの高度化に推進し、生活性サービス業を精緻化および高品質化に促進する。生産性サービス業は「四大産業」(検査検証、産業金融、越境EC、科学技術研究開発)をはじめとし、既に数多くの産業リーターと優れた生産性サービス業プロジェクトが集積してきている。滬寧高速道路のインターチェンジが設置されている交通面の利点を生かし、国内外の小売り業界の大手が集まってきて、成熟した商圏が形成しつつある。LIVATショッピングセンター、スウェーデンのイケア、ドイツのMETRO、イギリスのB&Q、フランスのデカノン、RED STAR MACALLINEなどの国内外の有名な小売り流通企業が進出した。
無錫は江蘇省において、高等教育機関が最も集中し、研究開発機関や専門技術者が最も多く、市民の平均教育水準が最も高い都市の一つである。無錫市内に専門学校を含め、17の大学などがあり、150キロメートルの範囲内に、100以上の大学および多数の国家級研究所がある。中国科学院と中国工程院の院士が70人以上となり、専門技術者が70万人で、一定レベル以上の人材は160万人に達している。さらに、無錫市の「太湖人材計画」や「錫山英才計画」の実施により、国内外から多くの高度な人材が創業やイノベーションのために集まってきた。
開発区は進出企業のためにワンステーションサービスを提供している。新規会社に関する手続きは開発区内のサービスセンターで完了できる。外国人就労ビサ、子供の入学なども支援している。